naiPhone３

会社にインドネシア人が３人も入った。　　　　　　　　　　　　　

インドネシアでの生活を聞くと
予想以上にワイルドな暮らしぶりである
ケータイが無いナイフォン生活らしい。


外にはコモドドラゴンがいて子供なんか食べられちゃうし、
玄関のサンダルがよく盗まれるとのこと
（こちらは人間の泥棒の仕業）。

おまけにテレビも無ぇ、ラジオも無ぇ、
マッキントッシュは何物だ！？状態
今私の目の前にいるひとがそんな
未来少年コナンチックな生活していたなんてゾクゾクします。


ひとりはもう原始人みたいで、力持ちでいいヤツなんだけど
部長とかにタメ口でヒヤヒヤする
「ワタシ日本でモデルガン買いたい、店シッテルカ？」

きわどい

 

可哀想にも見える

赤ちゃんが産まれた

オレにそっくり
メガネに坊主頭で産まれてきた
メガネっていってもまだ赤ちゃんだから
目の周りにうっすらかけてる程度で、
先生によれば成長とともにしっかりとした
黒縁メガネになってゆくとのこと。

神秘的です。

しかし赤ちゃんっつーのは
何も知らないんだなぁって思う

目の前の世界がなんであるのかも、
吸っても吸っても無限にでてくるあの謎の液体のことも。
万有引力の理屈とかなんかは
しゃらくせえって感じなんだよね

まぶしいぜ

さっきから自分の右手こぶしを
全部口の中に入れて食べようとして必死でいる

ああ、可哀想

無関係ネットワーク

トンビが高いところで旋回中！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

その真下で試合に負けた少年野球チームが
ノックを繰り返し始めた

その横、
フェンスに指を絡ませてノックを見守りつつ
昼間っからビールをあおる中年

その３０メートル後方、
ブルドックみたいな顔の大柄男が
小さなフレンチブルドック散歩中

その斜め５メートル前方、
ベンチで大学生アベックがなにかの約束をした

その足元、
オレがさっき落とした食べかけ梅おにぎり

その上にハエ

その上を蜂が通過

そのまた上の電線で
雀がチュンチュン噂話を繰り広げ

その遥か上空、
トンビがその全てを見て鳴いて

トンビを指差した子供が
母親に無視されていた

酢飯

日曜快晴快速電車　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
キャップにサンダル子どもの群
大きい帽子はお母さん

きらりと光るモハとクハ
洗濯物をくぐり抜け
向かうは遠く入道雲の果て

車内に漂う酢の香り
助六寿司食うおばあさん。
酢飯は一番ダメなんだよ。
車内で酢飯はダメなんだよ。


快速電車はひた走る
気温はぐんぐん上がってく
わんぱくボーイズ叫び声

ボクらの夏は酢の香り
許せない酢の香り

学ラン君の嘘

４月に入ってきた新人君、
まるで学ランも脱ぎきれぬほどの
初々しさと生真面目さをみせ、　　　　　
慣れぬ手つきで仕事に励んでいましたが
部長は誰隔てなく平等に怖いから耐えられなくなり
体にボツボツができて辞めてしまった。

以前食堂で学ラン君と同い年の
バカ野郎ってヤツが２人でしゃべっているのを
私は盗み聞きしたことがあった

あれはパンをかじっているバカ野郎が
学ラン君のお弁当を羨ましそうに眺めながら
それ誰作ってんの？と質問したのが事件の始まりだった

質問に対し学ラン君はもじもじしつつも
使い慣れない口振りで「彼女」とゴニョゴニョ答えていた
話によると毎朝彼女が弁当作って家に届けてくれる・・・
らしかった。

オレは瞬時に悟った、学ラン君は嘘をついていると…。

夜な夜なムダに女の子を探し徘徊している
目の前のバカ野郎だけには見下されるわけには
いかないのだ、よってウソをついている

バカ野郎はバカなのでニヤニヤしながらもさらに
彼女についての詳細な質問を続け、
学ラン君のデリケートゾーンをむちゃくちゃに掻き回していた。

タイムショックばりに問をこなす学ラン君はパニック寸前
嘘を嘘で塗り固め、妄想と現実を無理やりくっつけた挙げ句
おぞましくも違和感だらけの人間像になってしまった彼女Ｘ

「ありえな～い！」
バカ野郎が大きな声で言った。